仕事をしていると「戦略」「戦術」という言葉をよく聞きます。
正しく説明できる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
『戦略の意味は本の著者の数だけある』と言われるほど、日本でもアメリカでも
コンサルタントの間でバラバラに表現されています。
これではクリニックの院長(経営者)が自院で応用する時に混乱が生じます。
ここで「戦略」と「戦術」について簡単に説明いたします。
戦略と戦術の意味が解るとみなさんの経営の考え方がとてもはっきりします。
「戦略」とは
戦略の語源は古代ギリシャの「ストラテジア」(英)strategy
直訳は「将軍の術」。
日本ではこれを「戦略」と改めるとともに戦略とは「見えざるもの」と解説しています。
脳に汗をかくイメージです。
・どのような医院として存在しようか
・どこの地域の方たちを重点にしようか
・主体となる客層はどの年代がふさわしいか
・どのような営業方法が効果的か
・患者を固定化するにはどうしていこうか…などです。
戦略とは軍全体の効果的な勝ち方のルール、またはその知恵となります。
経営に置き換えると「経営競争の勝ち方のルール、またはその知恵」になります。
そしてこれは 「院長の経営術」 になります。
戦略を正しく理解して経営に応用して成果を出すには院長が責任を
もって担当すべき「役目」をはっきりさせる必要があります。
この作業を手抜きすると戦略を適用する範囲が広くなり過ぎて曖昧なものになってしまいます。
戦略とは=軍全体の勝ち方、ルール、知恵
経営戦略=経営競争の勝ち方、ルール、知恵
間違った戦略を設定すると間違った事を全力で実行することになります。
残念ながら戦略ミスからロスの音がしないので気が付いたときには大きな損失を被っています。
「戦術」とは
戦術の語源は古代ギリシャ「タクティコース」(英)tactics
それは掃除を専門にする人を意味しました。
- 手に掃除道具を持ち
- 手や身体を繰り返し何度も動かし身体に汗をかく作業
一般企業で言えば
・営業活動(販売活動)
・書類の整理/パソコン入力作業
・商品の配送準備…などが戦術にあたります。
兵士も似たような動きをするので兵士のこともタクティコースと呼ぶようになりました。
そして『戦術は見えるもの』。
経営の中心は形がなくてつかみどころがないので、院長が責任を持って担当すべき役割についてコンサルタントや学者の間でバラバラに、そう、酷くバラバラに説明されているのが現状です。
これが原因で院長自身、自分が責任を持って担当すべき役割についてもバラバラになっています。
これでは当然、業績が悪くなってしまいます。
シンプルに「戦略」と「戦術」の意味をお伝えしました。
その違いをご理解いただけたと思います。
根本的な「戦略」を持たずに、いきなり「戦術」を実行すると無駄や失敗が多くなります。
戦術を教えるコンサルタントは数多くいらっしゃいますが、その根本の
戦略を本格的に教える人や場は極めて少ないのが現状です。